SmARTストランドとは

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概要

SmARTストランド®は、PCストランドのより線の谷部に「ひずみ計測センサ」である光ファイバを全長にわたり組込み、樹脂材料を用いて「PCストランド」と「光ファイバ」を一体化させたものです。SmARTストランドは、裸線型およびECF型(ECF=Epoxy Coated and Filled : 内部充てん型エポキシ樹脂被覆)の2タイプがあります。

従来のロードセルや磁歪式センサなどでは困難であったPCケーブルの全長にわたる張力分布を計測でき、PC橋梁の供用中における張力分布の変化や、破断などのPCケーブルの異常の有無およびその位置を検知することもできます。

1本のストランドに対し光ファイバを2本、対称の位置に組み込む構造を標準としています。


  • ひずみ計測センサである光ファイバをより線の谷部に組込み樹脂材料により接着(裸線型)

  • エポキシ樹脂を被覆して光ファイバを一体化(ECF型)
    ※図はエポキシ塗膜を透過表示
  • 裸線型 SmARTストランド®

    裸PCストランドに光ファイバを接着固定
    (裸PCストランドはJIS G 3536 PC鋼線及びPC鋼より線準拠)
  • ECF型 SmARTストランド®

    エポキシ樹脂被覆内に光ファイバを組込み
    (JSCE-E141 内部充てん型エポキシ樹脂被覆PC鋼より線準拠)

PCストランドとしての仕様

SmARTストランドの機械的性質を表に示します。
SmARTストランド裸線型15.2mmおよびECF型15.2mmのPCストランドとしての仕様はSWPR7B(JIS G 3536)に準拠し、ECF型高強度15.7mmのPCストランドとしての仕様はSWPR7HT(高強度PC鋼材を用いたPC構造物の設計施工指針※1)に準拠しています。

また、ECF型のエポキシ被覆の仕様は、JSCE-E141※2に準拠しています。

  • ※「高強度PC鋼材を用いたPC構造物の設計施工指針」 社団法人 プレストレスト コンクリート技術協会
    (現、公益社団法人 プレストレストコンクリート技術工学会)
  • ※「エポキシ樹脂を用いた高機能PC鋼材を使用するプレストレストコンクリート 設計施工指針(案)」
    公益社団法人 土木学会
SmARTストランドの機械的性能
タイプ 記 号 呼び径
(mm)
基本外径※1
(mm)
エポキシ被覆厚
(μm)
最大試験力
(kN)
0.2%永久伸びに対する試験力
(kN)
伸び
(%)
リラクセー
ション値
(%)
裸線型 SWPR7BL 15.2 15.2 ≧261 ≧222 ≧3.5 ≦2.5
ECF型 SWPR7BN 15.2 16.4 400~1,200 ※3
400~900※4
≧261 ≧222 ≧3.5 ≦6.5
SWPR7BL※2 15.2 16.4 ≧261 ≧222 ≧3.5 ≦2.5
SWPR7HT※2 15.7 16.9 ≧335 ≧285 ≧3.5 ≦6.5
  • ※1:ECF型はエポキシ被覆を含めた外径
  • ※2:低リラクセーションECF型及び高強度ECF型は、化学成分がJIS G 3536と異なるため、ご採用にあたっては予めその点にご注意下さい。
  • ※3:1断面内の各クラウン部
  • ※4:1断面内の全クラウン部(6か所)の平均