計測結果の解釈の留意点

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PCストランドに組み込んだ光ファイバを介してPCケーブルの歪み分布を計測し、その結果を張力分布に換算します。そのため、歪みの変化を伴わずに張力が変化するリラクセーションによる張力の変動については、計測結果に含まれていません。リラクセーションによる張力の変化分については、別途、設計値などを用いて評価することが必要があります。 SmARTストランドの適用によって、定期点検時の計測結果に基づいたコンクリートのクリープ・乾燥収縮などによるプレストレス力の変動や、地震後の臨時点検時の計測結果に基づいたPC上部工の健全性の定量的な評価が可能です。
PCケーブル全長において、設計値以上の張力が維持されていることが確認できればPC上部工として健全と判定できます。一方、張力の変動が設計の想定を超えていた場合は、たわみやひび割れなどの詳細調査を通じて原因を究明すると共に、外ケーブル補強などの対策が必要となるります。

また、腐食などによりPCケーブルの破断が生じた場合には、局所的な張力の低下や光ファイバの切断が想定できます。
本技術により計測された分布において、局所的な張力の低下が確認された際には、その位置周辺においてPCケーブルの腐食や破断が懸念されるため、削孔による目視確認などの詳細調査が必要となる。なお、光ファイバが切断してしまった場合でも、BOTDR計測によってその位置については特定可能です。